僕がはじめて、本作りに携わったのは、1982年のことだった。『空気売りの少女』あとがきにも、記載したエジプトからはじまる旅は、父の取材に同行したものだった。

その旅を父が『旅の標本Ⅱ』としてまとめ、これに、家族みんなで携わったのだ。僕は、砂を集めたり、海綿を切ったり。母はステッチとか、マーブリング等。

父は当時(40年前の話だが)ギリシャ神話、星座、エジプト、珈琲、これらをテーマにして、木版手彩色の作品をつくっていたようだ。家ではパピルスを栽培し、パピルス紙をつくっていた。(上の写真の、左上ホルスの目の紙)

本がここまで身近でいたからこそ、本の魅力にとりつかれている今、
これまでの人生で、もう少し本の道に関われていたら、という想いが
いま、作品づくりに活かされているのかもしれない。