マルモ醤油工場跡地をテーマに、あるほなつきはたくさん作品を作ってきました。

きっかけは、お世話になっている蔵ギャラリーentaのオーナーの、煙突にまつわる思い出話でした。

真室川の人たちにとって、工場の煙突は町のシンボル的な存在で、図工の時間に写生する時などはよくモチーフになったものだそうです。また、社会科で工場見学に行くこともあったそうで、その匂いは今でも忘れられない、と。

工場跡地は老朽化していました。

工場は企業に買収されて、建物は取り壊されることになりました。

なにかしらの形で記録として残しておきたい、とおもいました。

2年前、蔵ギャラリーentaで開催した2度目のあるほなつき展は、マルモ醤油工場跡地を有歩が撮り、その写真を見てなつきが絵を描き、またその絵を見てあるほが写真を撮る、ということをやってみた作品を展示しました。

去年の春、まずは煙突が倒れました。

この時期、仕掛け絵本に興味を持っていた私たちは、マルモ醤油工場跡地をテーマにしたネコのサーカスのお話を作ることにしました。

楽しさと淋しさを兼ね備えているサーカスは、工場跡地というテーマにぴったりな気がしました。

出来上がったしかけ絵本は、ネコが現実と絵の世界を行ったり来たりしたり、姿をかくしたり、煙突を登ったり降りたり。誰もいなくなった工場跡地で繰り広げられるネコたちの遊戯は、時にファニーで時にミステリアスな、なんとも不思議な世界観をもったものとなりました。